給料は上がらないのに、お金が出ていく
45歳になったころ、はっきり感じたことがあった。
給料は、もう上がらない。
若いころは「そのうち何とかなる」と思っていた。でも40代の半ばを過ぎると、自分の会社での立ち位置も、この先の昇給のペースも、だいたい見えてくる。
そしてちょうどその時期に、子どもの大学費用がかかる段階に入った。
入学金、授業料、教科書代。数字を並べてみて、正直、青くなった。今の収入では、足りない。
昼は会社、夜は倉庫で働いた
まずやったのは、いちばん単純なことだった。働く時間を増やすこと。
昼間は今までどおり会社で働いて、夜は倉庫のアルバイトに入った。いわゆる夜勤だ。
正直に言う。めちゃくちゃ大変だった。
昼の仕事を終えて、そのまま夜勤へ向かう。終わって帰ってきて、少し寝て、また会社へ行く。体力の限界というものを、あのとき初めて本気で感じた。20代なら乗り切れたのかもしれない。でも40代半ばの体には、はっきりときつかった。
そして——それでも、追いつかなかった。
時間には限りがある。体力にはもっと限りがある。増えた分は、出ていく分に届かなかった。
「働く時間を増やす」という方法だけでは、限界があると思い知った。
奨学金も、学費ローンも考えた
次に考えたのが、奨学金と学費ローンだった。
調べたし、真剣に検討した。実際、多くの家庭が使っている。悪い選択肢だとは今も思っていない。
ただ、当時の自分はこう思った。
「その前に、自分にできることは全部やったか?」
借りるのは、いつでもできる。でも借りたら、それは子どもか自分の、将来の負担になる。だったら、まず自分の側でできることを探そうと思った。
「自分にできること」の一つが、投資だった
そこから、いろいろ調べ始めた。節約。副業。固定費の見直し。そして、投資。

正直に言うと、当時は投資のことを何も知らなかった。「怖いもの」「お金持ちがやるもの」くらいのイメージしかなかった。
そんなときに読んだのが、『3000円投資生活』という本だった。
タイトルを見て、思った。3000円? それなら、できる。
夜勤で稼いだお金を全部つぎ込むような話ではない。3000円だ。それなら、失敗しても生活は壊れない。
3000円分だけ買って、毎日見ていた
本に書いてあることを、そのまま真似した。3000円分だけ買った。
正直に書くと、そのとき何を買ったのか、もう覚えていない。それくらい、金額としては小さかった。生活には何の影響もない額だった。
でも——毎日、見ていた。
朝起きて見る。仕事の休憩中に見る。夜も見る。3000円が3050円になったり、2970円になったり。それだけのことなのに、やたらと気になった。
今思えば、あの「毎日見ていた時間」が、勉強だった。
数字が動く理由を知りたくなって、YouTubeを見るようになった。毎日見ていた。とにかく毎日、見ていた気がする。
続けながら覚えたというのが、いちばん正直な言い方だと思う。
なぜ楽天証券だったのか
証券口座を開くとき、正直、最初はよくわかっていなかった。
口座開設の書類は、項目が多くて何度もつまずいた。「これは何を書く欄なんだ?」と手が止まったことが、一度や二度ではない。
それでも楽天証券を選んだのは、調べていくうちに手数料が安いとわかったからだった。
そして続けていくうちに、その判断は確信に変わった。
投資は、続けるほど手数料の差が効いてくる。1回の取引では小さな差でも、10年、20年と続ければ、その差は無視できない大きさになる。
窓口のある銀行や証券会社は、相談できる安心感がある代わりに、手数料は高めだと聞く。どちらが正解かは人によると思う。ただ、自分で調べて自分で決めたい人には、ネット証券が合っていると思う。
自分は、結果的に楽天証券でよかったと思っている。
それから5年、50歳になった
あのとき3000円で始めたことが、いきなり学費を解決したわけではない。そんな魔法はない。
でも、5年たって変わったことがある。
「お金のことを、自分で考えるようになった」
固定費を見直すようになった。ふるさと納税もやった。iDeCoも始めた。高配当株も持つようになった。FP3級も取った。
全部、あの3000円から地続きだ。
夜勤の倉庫で働いたことも、無駄ではなかったと思う。「働く時間を増やすだけでは足りない」と体で知ったから、別の方法を探すようになった。
奨学金や学費ローンを検討したこと自体は、間違いじゃなかったと思う。でもその前に「自分にできることは全部やったか」と一度立ち止まったことが、自分にとっては大きかった。
同じ状況の人へ
もし今、「給料は上がらないのに、子どもの学費が重い」という状況にいる人がいたら。
3000円から始めてみるのは、悪くないと思う。
それで学費が払えるようになるわけじゃない。でも、お金のことを自分で考えるスイッチは、たぶん入る。
45歳から始めても、遅くはなかった。50歳の今、そう思っている。
※この記事は個人の体験談です。投資は自己責任でお願いします。

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